高密度の平織りで知られる古橋織布(静岡県浜松市)。
この遠州産地の機業場に23年4月、台湾・台北出身の荘皓筑(ソウ・コウチク)さんと、
中国・広東省出身の周嘉慧(シュウ・カエ)さんが入社した。
シャトル織機で織り上げる生地の奥深さと、古橋佳織理社長が取り組む働き方改革が背中を押した。

一部抜粋してご紹介します。

「働きやすい環境」も決め手の一つ。古橋社長は5年前から働きやすい職場作りに努めている。
業務を効率化し工場の稼働時間を週6日のシフト制から週5日に切り替え、土日は全員休む。約1割の賃上げも実現した。

「私も異業種からのUターン。物作りの現場はブラックと言われがちだが、少しでも若い人が働きやすいように」と考えている。

ゆくゆくは海外販売の構成比を30%まで高める方針で、中国語と英語が堪能な2人の存在は大きい。電話やメールなど日本語ではフォローが必要な面もあるが、「それ以上にプラスになる部分の方が大きかった」。グローバルな感性の発揮に期待を寄せる。

今の若い人は「給料以上にやりがいが大事」。その上で、「物作りの現場には、資格などの経験の物差しとなるものがない」と指摘する。3年目以降のキャリアをいかに魅力的に舵取りするかが課題だ。